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官能小説「零れる月」 恋人(2) 


車は、人気のない海水浴場の駐車場で止まる。
満天の星空。真冬の澄んだ空気が綺麗だ。


同い年の彼とのデートは、夜のドライブに定着しつつあった。

大学生という生き物は、夜に活動が活発化する。
自由を覚えたての若者達。
授業のない昼間に体を休めては、夜に娯楽を求めて動き出す。
私もそういう生活に体が馴染んできていた。


彼は、その中でも真面目な方だった。
生活費も、親の援助に頼らずバイト代でまかなっていたし、
夜な夜な飲みに歩くというわけでもない。

遊び慣れていた私にとっては、時折物足りなくも感じたが、
純粋な優しさや人に媚びない態度、まっすぐな彼の一途さに
次第に惹かれ始めていた。

彼は、一言「会いたい」と言うと、好きな麻雀の誘いもあっさり断り
私のためにいくらでも時間を割いてくれた。



車を降りて、煙草をくわえた彼の長い前髪が揺れる。

彼の整った顔立ちが好きだ。
実家に残してきた柴犬のケンを思い出す…
そう言うと、いつも彼は渋い顔をするけれど。


「美羽って泳げるの?」
「ううん。私、運動音痴だもの」
「ふふ…だと思ったよ」

柵に寄っかかって、海を眺めていた彼が可笑しそうに肩を震わせる。

「俺、泳ぎは得意なんだよ。実家が海に近いし」

話しながら、彼の腕が腰に回される。
私も彼の腰に腕を回して、ぴったりと体を寄せた。


彼と長らくセックスはしていなかった。

男子寮の彼の部屋に入り浸るのは気がひけたし、
行為の際の声は両隣に響いているはず。
何よりも派手に揺れるあのベッドが大問題だった。

だからといって、ホテルに行くのは勿体ない、と彼は言う。
私もホテルでのセックスには抵抗があった。
独特の雰囲気が、あの彼との行為を思い起こさせるから。


白い息が重なって、唇が軽く触れ合う。
煙草の味の舌がぬるりと滑り込んできて、私は濃厚に自分の舌を絡めた。


女だって欲情する。

特に、自分を欲している息遣いを感じた時。
私は悪戯な笑みを浮かべて、彼の股間へと指先を伸ばす。
彼のモノは、もうすでに固く、はち切れんばかりにズボンを押し上げていた。
冬の冷たい空気の中で、彼の体が熱い。


「…っふ…溜まってるからなぁ」
思案顔で、彼が視線を下げる。

「私だって溜まってるよ…」
ズボン越しに彼のモノを撫でながら、拗ねた調子で呟いてみる。

「女の子も溜まるの?ふふ。美羽だけじゃない?」
「なによそれ」


「…車でしようか」
背を屈ませた彼が、耳元で囁く。
「おいで。誰もいないよ」


彼が、小さな車の助手席ドアを開く。
座席を最大まで後ろに下げると、背凭れを倒した。
導かれて、シートに体を沿わせ、横たわる。

「誰かに覗かれるんじゃない…?」
「もう二時だし大丈夫だよ」

彼は狭い車内に覆い被さるように詰め入ってくると、ドアを閉めた。


「外から丸見えだな」

周りを気にしつつも、楽しそうに深いキスを繰り返す。
太股を撫で上げる手の平をストッキング越しに感じる。

「…ふ…っ…」
軽く触れられるだけでぞくぞくと体が震える。
指先がショーツに触れると、ぬるりと布越しに滑るのを感じた。

「…もう熱くなってる」

狭い車内で体を動かし、彼はストッキングを脱がせるのに苦労しているようだった。
脱がせ易いようにと腰を上げたりしてみる。

「もう帰るだけだしな」

ぴり。爪先でストッキングが裂かれた。
びりり… 小さな音を立てながら、肌が露出していく。

「…ぁ…ゃだ…」
「したいって言ってよ…」
「…ぁ…した…い…」


ショーツの股布の横から指が侵入してくる。
すでに濡れそぼったそこは、くちゃくちゅと音を立てて。

「えっちだなぁ…美羽は…」

荒い息を上げながら、彼がベルトに手を掛け、自分の高ぶりを取り出す。
「…もう入れていい?俺、、我慢できない」


頷くと、彼は何食わぬ顔をして財布からコンドームを取り出す。

「最初からするつもりだったの…?」
「だって、美羽とセックスしてーもん」

唖然とする私の前で、彼はさっさと装着し終えると、また覆い被さってきた。
ショーツを付けたまま横にずらして、ペニスを濡れた箇所に押しつける。

「…ッ…!」
「…っ…ぁ…はいっちゃ…ぅ…」

少し抵抗を示しながら、ゆっくりとペニスを体が飲み込んでいく。
彼は、窮屈そうに足の位置を変えながら、深い場所へと突き入れてくる。

「ぁ…いい…そこきもち…い」
「どこ…ここ…?」

息を荒げながら、彼の固いものが奥を擦る。
「…っ…ぁっ…あッ…!!」

動きが激しくなり、小さな車がゆらゆらと揺れ出す。


「…んっ…んんっ…!」
腰を上げて、彼のモノを最奥で受け止める。

「…ッは…もう出そう…出る…」
「ぁ…出して出して…私も…い…く…」

「いくぞ…いく…み…わ…」

早くなる動きに、車ごと跳ねるように突き上げられた私は、
応えるように彼の精をびくびくと飲み込んだ。



「ぅわ、窓が真っ白」

熱気で曇った窓を、彼が手の平で拭う。
淫猥な臭いと澱んだ空気が充満する車内で、
繋がったままティッシュを探してごそごそと動いた。

「狭いと足が攣りそうになるな」
後処理をしながら呟く彼に吹き出す。

ズボンを履き終えて、彼がドアを開ける。
真冬の空気が流れ込んで、汗ばんだ体を一気に冷やす。


「風邪ひくなよ」
冷たい空気に心地よさそうに目を細めた彼が、煙草を一本取り出す。

私は、無惨な姿になったストッキングを足首から引き抜きながら、
冷たい空気を胸一杯に吸い込んだ。




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