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官能小説「零れる月」 友人(6) 


二人を乗せた車は、そのまま海沿いのホテルへと向かった。

暗くうねる海から微かに波音が聞こえてくる。
駐車場に止まっても、彼は車から降りようとしなかった。


「本当に、いいの?」
ハンドルの上で手を組んだ彼が口を開く。

強く確かめる口調に、正常に戻りそうになる意識。
でも、誘ったのは私だ。

「…うん」


彼は、やっと車から降りて助手席のドアを開けた。
差し出された手を繋ぐ。

「…中途半端じゃ帰らせないからな」


少し怒ったような表情に視線を逸らす。
目を合わせられないまま、二人は行為の部屋へと向かった。



部屋に入った途端、大きな鏡に二人の姿が映りこんでぎくりとする。

「今なら、ギリギリ我慢できるよ?」

指先が顎のラインをなぞり上げ、被さる影が少しずつ近付いてくる。


私は、彼のキスを受けるために顔を上げた。
息の触れ合う距離で重なりそうな唇に息を呑む。


けれど。
彼は重なる寸前で唇を止めてしまった。

最後の確認のように。
見つめる瞳。強く絡められる、指先。


私は少し躊躇った後、自分から唇を押しつけた。
ゆっくりと、舌先でその乾いた唇を潤す。

彼は苦笑いのような表情で私のキスを受けた。
腕が腰に回されて、差し出された舌が絡み合う。

小さな水音が静かな部屋に響き初めて、
かかる息が熱くなっていく。


お互いの舌を貪り合うような長い長いキス。

「…っふ…」
水音の合間に、吐息が零れる。


唇も、口内も。

じっくりと犯されていく感覚に、体の芯が痺れていく。
頭の中は、抑えきれない性衝動に支配されて。


求めるように体を押しつける。
口付けを深くしながら、彼の熱い手の平がシャツの中に滑り込む。


プラがずり上げられて、乳房が温もりに包まれた。
私は、熱い息を吐き出す。


「…そんなにしたいの?」
耳朶を甘噛みしながら、彼が優しい声で囁く。

「もう、乳首が…ほら」


固く尖った乳首が、彼の手の平で転がされる。
甘い刺激に、もう意識が遠のきそうだ。


「いやらしいな」
甘い刺激から一転、乳首が強く捻られて背がしなる。

「、、、ひぁっ!!」


彼は、声を上げた私を引きずるように、
乱暴にベッドへと押し倒す。

固いスプリングに、緩く体が弾む。
急いた手にプラとニットがずり上げられて、
彼の前に無防備な肌が露出した。


万歳の姿勢のまま、両手首に絡まったニット。

まるで拘束されているような錯覚に陥る。
振り払えるはずのものが振り払えずに、私は従順に体を晒す。


「いい子…動くなよ」
彼は私の顔を見上げながら、乳首へと舌を伸ばす。


ちゅ、ぷ…
唾液をたっぷりと含ませた舌が乳房を這い回って、身を捩る。

「ぁ…ぁ…」
「食べるとこ、ちゃんと見てて」

彼の言葉に、ふるふると首を振る。
「ほら、鏡にも映ってるだろ。美羽ちゃんのいやらしい体・・・」


わざと、私に見えるように彼は体をずらす。

淫猥で虚ろな瞳の自分の姿が目に飛び込んで、体中が羞恥に震える。

「い…や…いやぁ…!」
「今更、止められない」

強い声が私を射抜く。

「俺の顔見てる?それとも自分の感じてる顔、見てる?」

乳首に甘く歯を立てながら、彼が喉奥で笑う。
「ふふ。選んでいいよ」

「ぁ…っ!!」


残酷な子供のように、楽しげに乳首を弄ぶ彼。
「ほら、どっち見るの」

私は、固く閉じた目を開けられない。
ぶるぶると足先が小刻みに震える。

私の唇が、またずり上がった彼の舌でこじ開けられた。
「ぁ・・くんっ・・・んんぅ・・!!」

彼の唾液が口内に流し込まれる。
白い体液を流し込まれた感覚が甦る。
体液が注ぎ込まれる度に、私の体は汚れていく。


夢中で喉を鳴らす。
全身の力が抜けていく。

「ぁ…ふ…んん…」
「俺を、見てろ」


唾液の糸を引きながら、彼の唇が遠ざかる。
私はその姿を融けた目で追う。

目を合わせたまま、彼が乳首を舐め上げる。
「ぁ…っ…ぁぅ…っ…!」

「いやらしい顔…」
「み…みないで…みない…で…」


視線と舌で犯されて、体の奥から熱さが零れ出す。
両腕を頭上に掲げたまま、ゆるりと腰が揺れ出す。

「見られて感じるんだろ。美羽ちゃんは」

彼がスカートに手を掛けて、一気に引きずり下ろす。
ストッキングは、荒々しく裂かれてショーツが露出する。

「い…いやぁぁぁ!!!」
「嘘付くなよ。こんなに染み作って」

M字に開かれて固定された脚。
その奥が、びくびくと震えるのが判る。


溢れ出す泉の傍に彼の頭が沈み込むのを、
私は為す術もなく目で追い続けた。





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官能小説「零れる月」 友人(7) 


閉じようとする腿も強い力に阻まれて。
中心を晒したまま、がたがたと震えるだけ。


「ほら、貼り付いてる。美羽ちゃんの形…丸見え」


彼の熱い息がショーツにかかって、びくりと背が浮く。
私は体を捩って、手首に絡んだニットを振り解いた。

「やめ…やめて…見ないで…」

自由になった腕で彼の頭を押し戻そうとしたけれど、
彼は動じる気配もない。


「見せて貰うって言っただろ。動くなよ」
「ひ、、い、やぁぁぁ…」

彼の舌がショーツ越しの秘部に押しつけられる。

「ひ…っ…ん……!」
唾液で濡れていく布越しに、愛液に溺れそうな突起が転がされる。

「やめ…ぁ…ぁ…」
「力抜いて。もっと脚開いて…」


私の脚から、少しずつ力が抜けていく。

「そう。いい子」

ちゃぷちゃぷと音を立てながら、彼の舌でショーツが濡らされていく。
もどかしい刺激が羞恥を呷って、熱い吐息が零れる。

「いやらしい…臭い…」

「あ、、!!!」
彼の鼻先が埋められて声を上げる。


「美羽ちゃんの味…」

ちろちろと舌先が、ショーツの股布の間から侵入してくる。

「もっと飲ませてよ…」
「ぁ…ぁ…ぅ…」

「ねぇ・・・おまんこ見せて」


ショーツがゆっくりと脱がされていく。
止めようとした私の指先は、力無く彼の手から滑り落ちて。


震える脚が大きく開かれて、愛液の溢れる箇所が冷たい空気に晒される。

「はぁ…よく見えるよ。美羽ちゃんのおまんこ…」


彼の声を、私は遠い意識の中から聞く。

「どろどろに溢れて…いやらしいおまんこだな」

脚の間に沈み込んでいく頭。
「ひくひくして…ほら、奥まで」


息のかかる位置。視線のみで犯され続ける。

「見ないで…見ないで…」
恥ずかしさで涙が溢れて、顔を覆う。


「恥ずかしい…?ふふ。こんなに濡れてるのに」
彼の言葉に、私の奥がびくびくと震え出す。

「もっと見て欲しいだろ?・・奥の奥まで見てあげようか」
彼が膝裏を押して、私の中はぱっくりと無防備にその姿を晒す。


「お汁、垂れそうだな。吸わなきゃ見えない」
「だめ、、だめ、、、舐めるのは…いやぁ…!!」

「どうして。だって、見えないよ」
「ぁ、、、ああああ!!」


じゅるりと音を立てて、彼が溢れる泉を吸い上げる。

「やめ、、、いやぁぁ…!」
「…美味しい…」

彼の舌が開いた秘部に差し込まれて、ちゃぷちゃぷと愛液を掬い出す。
熱く蠢く舌。二人の粘液が混ざり合う音に、頭の芯が痺れる。

「…ぁ…ぁ…ぁ、、ぅんんっ!」
「力抜いて」


秘部を晒されて、私は無防備になっていく。
体の全てを委ねて、快楽に溺れていく。

羞恥や罪悪感も。理性は少しずつ薄らいで。
諦めに似た、心と体を投げ出す感覚。


「ふふ。気持ちいい?」
半開きの唇。視線は虚ろに彷徨いだす。

彼の視線に、私は従順になる。
「…きも…ちい…」

「いいよ。声出して…感じて」


クリトリスが唇で挟み込まれて、舌先で優しく転がされる。
「ぃっ、、、いい…ぁ…!!!」


「いいの…?どうして欲しい」
「ぁ…ぅ…」

「もっと舐めて欲しいの?」
「もっ…と…ぁ…」

「聞こえない」
「舐めて…舐めてぇ…!!」


彼が突起を吸い上げる。私は悲鳴を上げる。
唾液と愛液が混ざり合ったものが臀部を伝っていく。

ちゅぷ。
柔らかく熱い舌が、突然固く閉じた後ろの窄まりに押し当てられた。


「え… ぁ、、、いや!!!」

「こっちは…嫌?」
「ぁ…いや…だめ…そんなとこ…」

「こっちは…まだ食われてないんだな」
「ひ…!!」


ぞくぞくと背筋を這い上る、違和感。
指先で掬われた愛液が、ぬるぬると菊門を滑る。


「やめ…やめ…」

恐怖と、羞恥と。

「力抜いて…」
「ぁ…や…」


ぬるんでいく箇所をくすぐるように刺激される。

「いれ…いれないで…ぇ…ッ」

「ふふ。入れて欲しいの?」
彼の指先が、窄まりをつつく。

「いや…ちが…!!」


びくびくと秘部が震える。
「こんなとこ突かれて…また溢れてる」


「俺のモノにしちゃおうか」
ぐぐ、と指先が菊門に差しいれられる。

「いや、、、いやぁ、、、お願い、、お願い!!」


異物感と、熱さ。
第一関節のあたりまで埋め込まれた指先。

彼は、少しずつ滑りの良くなっていくアナルを
弄ぶように出し入れを繰り返す。


「可愛いな…」
彼の唇が、溢れ出す蜜を啜る。

「まだこっちも食べてないしな」
彼の指先が、名残惜しそうにアナルから引き抜かれる。


私は、大きく息を吐き出す。


「美羽ちゃんにも見せてあげるよ」

上体を抱き起こされて、彼の肩越しに私の虚ろな目が映った。




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官能小説「零れる月」 友人(8) 


彼が私の背後に回る。


虚ろな瞳に映るのは、M字に脚を開き、全てを晒した私の姿。
膝は彼の手に押さえられ、閉じることもかなわない。


彼の唇が首筋を滑る。

鏡の中の私と視線がぶつかる。
口元に残虐な笑みを浮かべた彼。


「ほら、見える?自分の中…綺麗だろ?」


私のそこは泡立つ愛液で淫猥に溶けて。
彼の指先で開かれると、くちゅりと音が弾けた。

「目、逸らすなよ」

蠢く自分の欲望が晒される。

貼り付いた陰毛。光るサーモン色の内部。
欲するその穴は白い愛液で溢れかえって。


自分の体なのに、こんな風に見ることはない。
ひくひくと震えるそこはあまりにも生々しくて。


羞恥に震えながらも、あがらう力はない。
潤む視界の中で、全てを飲み込みそうなほどに
深く開いた穴を見つめるだけ。


彼の指先が、ゆっくりと潤みをかき混ぜ始める。

くちゃり、じゅぷり…
響く愛液の音が、私の泣き声と混ざり合う。


「此処に、入れてほしいんだろ」

私の背はびくびくと反り返り、
開いた唇から零れる滴が胸を伝う。


「ぁ…あ……そこ…そこにほしい…の…」
「いやらしいおまんこ…美羽は淫乱だな」

「ぁっ、、ぁ…淫乱なの…私、わた…」
「淫乱な私のまんこ、ぐちゃぐちゃにかき混ぜてって言えよ」


彼の熱い息が耳にかかる。

「言えよ。淫乱な美羽…」
「あ、ぅぅっぁ!!」


無骨な指が私の中に突き立てられる。

「ぃっ…い……!!」
「乳首も寂しいんだろ?自分で触れよ」

「…っ…ゃ…ぁ…」
「ふふ。目は逸らすなよ。ほら、鏡見ながら弄れって」

「ぁっ…ぁ…くぁんんっ!!」


指を飲み込みながら、私は両乳房を揉みしだき、その頂を、摘む。

汗ばんで貼り付いた髪の間から見える、淫猥な女の姿。
「飲み込んでるよ。ほら…凄い締め付け…」


意識が浮遊していく。
体が快楽を欲して揺らぎ始める。

「ぁ…ぁ…いい…いいの…」
「どこがいいの。言えよ…淫乱で可愛い美羽…」

「おまんこ…ぉ…いいの…いい…かき混ぜて…ぁ、、うっ!!」
「ぐちょぐちょ音立てて…淫乱女…」

「淫乱なの…淫乱なの…もっと壊してぇ!!」
「ああ。壊してやるよ」


じゅぷりと愛液のまとわりつく指が引き抜かれる。

唇をなぞる指から甘く淫猥な味が広がる。
そのまま差しいれた指で口内を犯しながら、彼が下半身を晒す。


「…ほら…こんなになってる」


びくびくと波打つペニスはぬらぬらと光って。
まるで凶器のような姿に唾液を飲み込む。

「ん…ぁふっ…!」


彼のペニスが、指の代わりに乱暴に口内に突き立てられた。
その大きさに、息苦しくて涙が滲む。

「欲しいんだろ。綺麗にしろよ…」
「んんくっ…んんぅっ…!」

熱い高ぶりに舌を這わせる。

「もっと濡らすんだよ。ぬるぬるに…はぁッ…」
ちゃぷじゅくと音を立てながら、必死で唾液を絡ませる。


「いいぜ…ほら、顔見せろよ…」
夢中で彼の味を貪りながら、私は視線を上げる。

「美味しいか…俺のちんぽ…」

「…ぉ…いし…ふ…んん」


髪の毛はかき乱されて、捉えられた頭はまるで道具のようだ。
何度も何度も、犯すように喉奥を突き上げられて遠のく意識。

膨張しきったペニスが引き抜かれて、
私の穴全てから滴が零れ落ちた。



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官能小説「零れる月」 友人(9) 


涙で視界が滲んでいく。

静寂に包まれて、
白く濁る部屋はまるで夢の中のようで。

びくんびくんと。
鼓動よりも激しく波打つ胎内。
頭の中はもう何も考えられない。


乱暴な愛撫と羞恥に埋もれて、
とろとろと体からは蜜が流れ出すのに
私は、達することができずにいた。


苦しい。
苦しい。


何かにまとわりつかれるように重い体。
腕を引かれて、私は仰向けになった
彼の体の上に倒れ込む。


顎が持ち上げられる。
短く荒い息を零す私の至近距離で、彼の声が導く。


「美羽…俺の欲しい?」
「…ほ…し……」

「ちゃんと俺の顔見ろよ」


彼の顔をすがるように見つめる。
彼の腰を跨るように促されて、重い足を開く。


下腹部に、腿に。
そして広げられたそこに。
熱く固い高ぶりの先端が、滑り出す。


私は腰を上げたまま、彼の胸に上半身を押しつける。
ペニスの先がもどかしく体に触れる度に、びくびくと腰が浮く。


「俺の、美羽の中に入りたいってさ」
髪を梳く彼の優しい口調。

「美羽も…欲しい?…」


彼の先端が、私の入り口をくちゅりと捉える。

「ぁ…っ!!」

「支えててやるよ。欲しいなら自分で入れてみな」
「…っ…!!」

「欲しい欲しいって…ちゃんとおねだりしながら入れろよ」


私は、腰を落とすことができない。

移動した彼のペニスの先が、
ねちょねちょと突起を捏ね始める。
全身を貫く鋭い刺激に声を上げる。


「ひ、ぁ、、ぅっ、、、ああ!!」
「欲しくないの?…ならいいよ」

「…い…や…いやぁぁぁ!!」
「どうするの。入れるの?入れないの?」

「入れ…入れ…て…」
「駄目。欲しいなら欲しがれよ…美羽…」

先端が、また入り口の方へと滑る。


「ほし…い…ほしい…よぅ…」
譫言のように零れだす言葉。


「何が。何が欲しいの…美羽…」
少しずつ体が彼の先端を飲み込んでいく。

「おちんち…ん…欲しい…欲しいの…ぅ」

「誰の…誰のがほしいの」
「か…ずやの……おちんちん…欲しいほしい!!」


「俺も欲しいよ…美羽…」
「あ、、、、、、!!!」


快楽にあがらいきれずに腰を落とす。
固いペニスは、ずるりと容易に滑り込んだ。


限界まで膨れあがったそれは、
私の中をいっぱいに広げて満たしていく。
先端が奥を突く度に、苦痛と紙一重の快感が私を襲って。


「っ…はっ…すげ…」
熱い息を吐き出して彼が呻き声を上げる。

「もっと…もっと見せてよ…淫乱な美羽…」


私はただ、貪ることに夢中になっていく。
密着させていた胸を離し、騎乗位の体勢になる。

彼が下から乳房を揉み上げながら、尖った乳首を丸くなぞる。


「もっと…もっと欲しがってよがれよ……」
「い、、、、っ、、!!!」


乳首が強く摘まれて、走り抜ける電流が胎内に響く。

私の背は跳ねて、反り返る。
垂直に突き刺さったそれが、また深さを増して。


「いい…気持ちいい…ぁ…いいの…!!」
「ッ…ふぅん……いいの?痛くするといいの…?淫乱美羽…」


潰れるほどに揉み上げられた乳房。
ひねり上げられる乳首。

びくびくと奥から波が押し寄せてくる。


「いきた…い…いかせて…いかせてぇ…!!」
泣き声が叫び声に変わる。

「もっと…もっと…ほしい…ほ、、しい…」


彼の手が、揺れる腰を強く掴む。

下から叩き付けるように、そそり立ったペニスが私の体を貫く。

壊れた玩具のように、私の体はがくがくと跳ねる。
私を満たす熱い感覚に酔いしれていく。


もっともっと、かき混ぜて壊して。

獣のように振り立て、擦りつけ合う腰から、欲望が噴出する。


「いけ…よ…いけ…美羽…壊れちまえ……!!」



彼の声が遠くに聞こえる。
私の中がどろどろと溶け出していく。


ねぇ…一人にしないで。

ぽっかりと空いた穴は寂しいの。
欲しがってよ。
もっと私を、求め…て…


後のことは、もう、覚えていない。



……此処は何処…
湿ったシーツの感触に目を開ける。


睫を揺らす寝息。

私はしっかりと一哉の胸に抱かれて眠っていた。
体を揺らすと、まるで本能のようにまた強く抱き寄せられる。


二人とも、シャワーも浴びずに眠ってしまったようだ。
湿り気を帯びた体はまだ生々しくて。
脱ぎ散らかされた衣服が散乱する、部屋。


彼でも恋人でもない男性。
行為が終わっても消えてしまわない彼の姿が不思議で。

疲れ果て、安心した表情で眠る彼の頬を撫でる。


窓際から微かに届く波の音。

そっと、彼の腕の中から抜け出す。
立ち上がるとふらふらと目眩がした。


体に染みついた彼の臭い。

不意に込み上げてくる嘔吐感に、私は口を覆う。
洗面所に駆け込込んだ私は、
訳も判らないまま全てを吐き出してしまった。


よろめきながら熱いシャワーを浴びる。
汚れた体と、自分のものではない体臭を洗い流すために。

叩き付ける水音の中でフラッシュバックする映像。

固く目を閉じても、ぐらぐらと私の世界は揺らいでいた。




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